はじめての手紙#6

一、あなたとはっきりとした俳句観のちがいがあります。

あなたは作るものではなくて生れるものを といわれる。

しかしそれだから俳句は文芸戦線の一線に出らない(ん)だということに

お気づきになっておられないのではないでしょうか。いゝですか。

―――――作らないで生れる小説や画があるとお考えなのですか。

インスピレーションは待つものではなくて、自分で導かなければならない。

三島由紀夫が天才であり、秀れた詩人、小説家であるという事は否めない事実です。

意識の流れを無視してかゝるとつまらない作家のものが偉大な象徴句に解される危険をさえ

生じるということもお考えあれ。

PAGE TOP